2026年Heavy Metal私的お薦めアルバムBest 10(進行中)

はじめに

 

2026年に発売されたHeavy Metalのアルバムの中でオススメのものを紹介するブログです。1980-1990年代にキャリアをスタートさせたバンドにしかあまり興味がない人間なので、今年も、10枚も挙げることができるかどうか心配です。

 

昨年は、私の情報収集力が低いせいか、凄い!と思わせてくれる新譜にあまり出会えませんでした。そこで、読者のみなさまの助けを仰ぎたいと思います。K-POPのブログと同じく、当ブログの末尾にコメント欄を設けましたので、面白い新譜がありましたらご紹介ください。

  


注目 AT THE GATES: The Dissonant Void

  • スウェーデンのバンド。私は初めて聴きますが、1990年結成ということなので、ベテランですね。dissonantという言葉を使用したり、モノクロームなMVだったりと、どことなくCoronerの最新アルバムと雰囲気が似ている気がしました。ただしあのバンドほど複雑でなく、シンプルな曲調。本来ゆったりとした6/8拍子または3/8拍子であるはずなのに2ビートで突っ走ることにより独特の浮遊感がでており、好きです。4月末にアルバムが出るようですが、さて、購入すべきか、せざるべきか。→購入することにしました。後日、アルバムの感想を書かせていただきます。いや、ほんま、今まで聴いてこなかったのが後悔される、すばらしいバンドです。ヴォーカルの方、亡くなったんですね……私より若いのに、癌は残酷です。遺作となった本作を聴き味わいましょう。

注目 Deathstorm: Mask of Sanity / Mount Eerie

  • 演奏はちょっと粗いですがそれなりにキャリアを積んできたオーストリアのスラッシュ・メタル・バンドのようです。5月にリリース予定のアルバムから2曲が披露されています。音楽性も、演奏のレベルも、サウンドのクオリティも、初期のDeath AngelとKreatorを足したような感じで、私のような中高年にはとても郷愁をおぼえます。これらの先輩バンドよりも変拍子を多く入れてフックをつけており、個性を出していますね。MVはいかにも予算がない中で何とか作った感じで痛々しい。さて、買おうかな。どうしようかな。

注目 BAND-MAID: Dilly-Dally (Official Live Video)

  • EPに収録されていた異色の曲のライブ。なるほど、こうやって各自のソロをはさんでいくのね。もともと楽しい感じの曲でしたが、もっと楽しくなりますね。素晴らしい。

番外編 LOVEBITESの武道館ライブ(2026/03/29)

  • LOVEBITESの日本武道館ライブに行ってきました。実は私、メタルのライブに参加するのは実に34年ぶりなのです。バンドの道をあきらめて大学院に入ったときに、メタルのライブに行くことを自ら禁じたからです。「やっぱりまたバンドをやろうかな」なんて思ったりしないためです。しかし、56歳の現在、さすがにバンドに対する未練はもうないだろうということで、ついに封印を解きました。久しぶりのライブがLOVEBITESで本当によかったです。圧倒的クオリティのライブで、心から堪能しました。
  • 長々と感想を書くのもあれなので、一つだけ、新曲 'eternally' の初演について書かせてください。このブログの下のほうにあるニュー・アルバムの感想欄では「3月の武道館ではぜひ歌ってほしい。感動して泣いてしまうかも。」と書いていますが、実際に泣きました。
  • アルバムを聴いたときは、amazon musicで03:21-03:49に置かれているギターソロに少々違和感をおぼえました。バラードの曲調と、こんなにバリバリ速弾きをしているソロが調和していないように感じられたのです。しかし、この曲はAsami氏の筆によるもので、雑誌のインタビューを読むと、ギターソロの大枠も本人が示したようです。つまり、バラードを歌い上げるAsami氏自身がこの速弾きのソロを望んでいたらしいのです。一聴しただけではその理由がわからず、私の中では今後の検討課題にしていました。
  • 今回のライブを聴いて、疑問が解消されたような気がしました。この曲の直前に会場のライトが消され、Asami氏は聴衆にスマホのライトを点けるよう求めました。結果、厳粛な雰囲気になり、この曲の演奏が開始されたのです。最初、私は不思議な気がしました。なぜなら、暗闇の中でスマホのライトをみんなで灯すという行為は、おそらく、死者を追悼するキャンドルライトの代用であることが海外では通常だと思うのですが、この曲の歌詞は、新しい生を寿ぐ内容で、真逆だからです。しかし、生と死はセットで捉えるべきもの。生について語るということは死についても語るということなのだろうか・・・などとしばらく戸惑っていたのですが、ギターソロになって、突如アイデアが天から降りてきました。この上下の起伏の激しいソロは、爆撃の象徴であり、銃乱射の象徴であり、津波の象徴であり、建物崩壊の象徴なのではないか。つまり、理不尽に生を奪う死の象徴なのではないか、というアイデアです。新しい生を祝っても、人は突然理不尽に殺される。この不条理の中にあっても、いや、中にいるからこそ、'eternally' を望まずにはいられない・・・そういう曲なのではないか、と思ったわけです。
  • そんなアイデアにとりつかれたうえで他のAsami氏の発言を振り返ると、私の記憶が正しければ、’GLORY TO THE WORLD’ の直前で「平和を願う」と言っていたし、他のところでは「人生とは、人『と』生きるということ」とも言っていました。文脈上はファンとLOVEBITESとの関係や、これまでお世話になってきたスタッフ等に対する感謝の気持ちを述べるものでしたが、本当は全人類の平和を願ったものでは? ワールド・ワイドで活動しているバンドなのですから、理不尽な死を世界中で見聞する機会も多いでしょう。私の単なる思い込みにすぎないかもしれませんが、ひょっとしたらAsami氏は自由と連帯による平和への思いを強くお持ちなのかもしれません。

候補 LOVEBITES: OUTSTANDING POWER

  • LOVEBITES 5枚目のフル・アルバム。私はフランスのライブを見たかったので Hell Edition を購入しました。今ちょっと本業が忙しくてじっくり聴けないのですが、とりあえず一聴したので、ファースト・インプレッションを書いてみます。
  • BURRN! 2026年3月号に掲載されている本人たちのインタビューでも、同号のアルバム・レビューでも一様に述べられているように、本アルバムの曲は従来よりもヴァリエーションに富んでいる。私のブログでは毎年かならずLOVEBITESのアルバムが登場するが、毎回、水準の高さを称賛しつつも、どこかで聴いたことのあるような曲が多いことに若干の不満を述べていたような気がする。しかし、今回はそのような不満は全然抱かなかった。Fami氏のスラップがフィーチャーされているような新しいタイプの曲が新鮮に感じられることはいうまでもないが、そのようなわかりやすいポイントがない曲もまた然り。例えば、2曲目の 'SILENCE THE VOID' という曲についてライナーには「オールドスクールのスラッシュ・メタル・タイプの曲」と書かれているが、ギターの6弦でクランチなリズムを刻むことがほとんどないリフは、オールドスクールのスラッシュ・メタルの典型ではなく、とても新鮮な印象を与える。
  • 多彩な曲の中で、やはり一番嬉しいのは、バラード 'ETERNALLY' 。2枚目の 'Epilogue' 以降、Asami氏の本格バラードをずっと待っていたのだが、とうとう歌ってくれた。期待どおりの素晴らしい仕上がり。歌詞もいいですね。子どもが生まれたときのことを思い出しました。3月の武道館ではぜひ歌ってほしい。感動して泣いてしまうかも。
  • Hell Edition には、フランスの野外フェス Hellfest のライブBlu-rayが付いている。これはファンでなくてもぜひ視聴してほしい。与えられた時間が少なく、かつ、アウェイの土地(もちろんフランスにもファンは少なからずいるだろうが、日本と比べると、初めて聴くという層が多いはずだ)だからだろうか、スピードチューンばかりを選んで息つく暇なく攻めまくっている。メンバー全員が絶好調だが、特に、Midori氏の高音域のチョーキングのキレが素晴らしい。また、Asami氏の一音たりとも崩れない安定の歌唱もまた素晴らしい。彼女の声は、録音の仕方によっては若干固く細く聴こえるときがあるが、このライブの録音はとても良く、豊かさを十分に感じられる。

 MV: THE CASTWAY


候補 Megadeth: Megadeth

  • 私はMEGADETHの熱心なファンとはいえないと思う。2枚目と4枚目は愛しているといってよくて、それぞれ100回以上は聴いていると思う。また、3枚目をリリースしたときの来日公演(@中野サンプラザ)も行っていて、おおいに盛り上がった。しかし、5枚目以降はピンとこなくて、だんだんと聴かなくなっていたのだ。最近は全くフォローしていない。
  • しかし、今回のラスト・アルバムは初期の音作りに回帰したという前評判を聞き、聴いてみた。確かに、このアルバムが5枚目ですと言われても信じてしまうほど、4枚目の続編のような曲であふれている。ギター・ソロもマーティ・フリードマンを彷彿とさせるフレージングがあちこちでみられる。もっとも、いたるところで円熟が感じられ、ただの焼き直しアルバムでは決してない。
  • 時代に合わせたのか、それとも現在の声域に合わせたのかはわからないが、ギターのチューニングは通常のEADGHEではなく、おそらく全音下げたDGCFADにしていると思う。しかし、弦が緩んでいるような感じの音ではなく、タイトに引き締まっていて、絶対音感のない私などがぼおっと聴くと、チューニングが下がっているとは気づかず、EとかAとか、6弦でルート音を弾かずに5弦でオクターブ上を弾く軽めのDとかいった、いかにも往年のメタルの調で弾いているように錯覚してしまう。最近はすっかり慣れてしまったが、デス・メタルやエクストリーム・メタルが台頭してきて6弦をDとかCisに下げたチューニングをし始めたときは、その音が緩くて到底受け入れられなかったことを懐かしく思い出した。今はすっかり慣れてしまったが。
  • 引き締まっているという印象は、6弦と5弦を用いたコードをあまりかき鳴らさないように意識しているとしか思えない、線的な動きを多用する曲調からももたらされているように思う。この傾向は4枚目を共通するが、とても心地よい。スラッシュ・メタルとはいっても全然うるさく感じず、とても整然としたきれいな音だと感じさせられる。このアルバムは、私にとって、長く愛聴できる3つめのMEGADETHのアルバムとなりそうだ。これがラスト・アルバムだなんて、惜しいですね。

 MV: Let There Be Shred


候補 NEMOPHILA: 五臓 -GOZO-

  • 初回限定版に付属している、2025年9月のライブ動画がとてつもなく素晴らしい(全10曲。セトリ通りに並べたプレイリストはコチラ)。ファンからお叱りを受けそうだが、NEMOPHILAのライブ動画をちゃんとした再生環境で視聴したのはこれが初めて。これまでライブに参加してこなかったことをとても後悔させる、素晴らしいパフォーマンスだ。失礼ながらNEMOPHILAのアルバムは、質の高さを感じながらも、数回聴いただけで棚に眠ることが多かった。しかし、このライブで演奏される10曲のなんと素敵なことか。全て知っている曲のはずなのに、すべてが初めて聴くような錯覚を覚える。これまでのアルバムのプロデュースが悪かったのではないかと思ってしまうほど、曲が本来持っている魅力が全開の演奏である。
  • なぜこのように感動したのかをふりかえってみると、おそらく、以下の5点のせいだと思う。第一に、私が苦手な「ゆるふわ」のコンセプトがほとんど強調されず、アルバムだと緩さが強調される部分についてもライブでは剛直なサウンドで貫かれていること。第二に、これも私が苦手な「和」の要素が、このライブ演奏では実に自然に違和感をおぼえさせることなく聴けること。第三に、mayu氏の歌唱がいろいろと加工・調整されることなく自然に録られていて、その高度な歌唱を存分に味わえること。また、舞踊か武術をたしなんでおられるのだろうかと思わせるほど体幹が良く、たたずまいがとても美しいこと(ただしMCはちょっと単調で、改善の余地があるかも)。第四に、タイトなリズムと太い音色(特にスネア)を両立させているむらたたむ氏のドラムがそれはそれは心地よいこと。第五に、葉月氏とハラグチサン氏の演奏が全く危なげないので安心して視聴できること。しかも、お二人とも常に笑顔を絶やさないので、こちらも気分が晴れわたるような気がしてくること。
  • さて、付録の感想はこれくらいにして、本体のほうに移ろう。セルフ・プロデュースされたEP。一聴した感じではラフ・ミックスのようなシンプルな音作りでちょっと物足りないが、バンドとしてはこの生々しさを感じさせたかったのかもしれない。また、サブスクをイヤホンで聴いている限りでは、ヴォーカルの音量が大きいものが多く、Flotsam and Jetsamの3枚目 'When the Storm Comes Down' のようなバランスだ。かつてないほどヴォーカルの細部まで無理なく聞こえ、繊細な歌唱を楽しめるが、メタルは総合芸術なので、ちょっと不満に思う向きもあるかもしれない。
  • 曲の内容は素晴らしいですね。相変わらず多様な要素をミックスさせて聴き手を飽きさせず、あっという間に5曲が終わります。【書きかけ】

 MV: 開花宣言


候補 Kreator: Krushers Of The World

  • Kreatorのニュー・アルバム。Kreatorのアルバムは、3枚目 'Terrible Certainty'、4枚目 'Extreme Aggression'、10枚目 'Violent Revolution' が大好きで、おそらく100回以上は聴いている。3枚目と4枚目はリマスタリングされたLPも持っていて、一段良くなった音に狂喜乱舞した。ただ、11枚目以降のアルバムは、いずれも良作だと思うけれども、10枚目の音楽性から大きく外れることはないと感じ、特に強い印象は与えられず、1回聴いて終わり、という状況がしばらく続いていた。
  • 本作の音楽性もやはり10枚目の延長線上にあると思う。しかし、さすがベテランの作品だけあって、フレーズやちょっとしたギミックのパレットが非常に豊かで、一瞬たりとも飽きることなく1時間弱を楽しめた。私にとって長く愛聴できる4枚目のアルバムになりそうな予感をおぼえる。私のように、ちょっとKreatorの音楽に飽きていた方がもしいらしたら、ぜひ聴いてみてください。今回は飽きないかもしれませんよ。

 MV: Seven Serpents


候補 Alter Bridge: Alter Bridge

  • お恥ずかしながら、このバンドのことを全く存じ上げなかったのですが、セルフタイトル・アルバムである本作は8作目だそうで、もうベテランなんですね。第1曲 'Silent Divide' のリフが往年のLAメタルっぽくて、そういうバンドかと当初は思ったのですが、現代のバンドだけあって、もっと多様な要素をミックスさせた独自の曲になっていました。その後の曲もまたしかり。
  • 個々のメンバーの技術も確かですし、何より マイルス・ケネディ氏のヴォ―カルが魅力的ですね。マイケル・キスクの声に似ているように感じます。この声と、個々のリフやフレーズに心を揺さぶられたことから、ここで紹介してみたのですが、曲構成が押し一辺倒で、引きの要素があまり感じられないので、何曲も聴き続けるとちょっと飽きてくるというか、疲れてしまうため、この私的ランキングに残るかはまだわかりません。

 MV: Silent Divide